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文部科学省は「英語が使える日本人の育成」を重点施策としてかかげ、2002年、そのための「戦略構想」を打ちだした。そして2003年、その戦略構想を2008年までの5年間という期限を設けて実現すべく、より具体的な「行動計画」を発表。現在わが国の英語教育は、小学校から大学まで一貫して、この行動計画に沿った抜本的改革の真っ只中なのである。
先生と生徒のやりとりの大部分が英語で行なわれ、生徒たちは英語で意思を通じ合える楽しさや達成感を感じられる。こうした英会話学校のような授業を公立の中学・高校でも実現し、生徒たちの英語によるコミュニケーション能力を養う。目標は、高校卒業時の平均で英検2級ないし準2級、大学卒業時には仕事で使えるレベルの英語力だという。
さらに文科省は、同構想とも連動する形で、「スーパー・イングリッシュ・ランゲージ・ハイスクール」(以下SELH)事業を進めている。他教科の授業を英語で行なう、英語に関する独自科目を設置する、大学と連携するなど、英語について指導要領を超えた高度で実験的な教育に対して助成金を行なっている本事業。今後、指定校を100校まで増やし、そこでの成果は前述の行動計画にも反映される。
受験以外ではほとんど役に立たない知識を、外国人には通じないカタカナ発音で詰め込まれていた世代からすると、こうした新しい英語教育の流れはうらやましい限りだ。しかし、うらやんでばかりもいられない。
文科省をこれほど本気で改革に取り組ませた危機感の背景、急激なグローバル化とそれに対応できない日本人の貧弱な英語力という「現実」は、決して他人事ではないからだ。
News24の調査でも、ビジネススキルとして、「英語など語学スキルの習得程度は?」の質問に対し、「スキルがある」と答えた人はわずかに5%、「まあある」の20%を会わせても4人に1人という結果が出た。一方、「今後修得したいビジネススキルは?」の質問に対して、40%が「英語などの語学スキル」と回答し、やはり必要性が確実に高まっている「ITスキル」の38.3%を上回ってトップだった。しかし、実際に語学スキル向上のための行動を起こしている人は10%程度にとどまっている。
つまり、多くの人が語学スキルの必要性を感じ、またその不足を認識していながらも、具体的には何もしていないというのが現状といえるだろう。行動を起こさない理由には、時間的制約、経済的制約など様々なものが考えられるが、どんな方法を選べばよいのか、確信がもてないという面も大きいのではなかろうか。
もちろん文科省は、はるか昔に学校と縁の切れた社会人の英語教育まで面倒を見てくれはしない。「英語が使える自分」を育成するための「戦略構想」および「行動計画」は、自から作るしかないようだ。
では、自分のための行動計画のポイントは何だろう。ヒントは、実は文科省のプランにあるように思う。
今回の同省の行動計画で注目すべき点の第一は、現職教員への研修の実施など、教える人材の充実に力を入れたこと。もう一つは、習熟度別授業の積極的導入、さらにはSELHと、悪しき平等主義を改めてそれぞれの能力に応じた効率的教育に踏み込んだこと。これによって初めて、教室内の活気あるやりとりが実現し、コミュニケーション能力の向上につながるのだ。
自らお金と時間を投資する社会人の場合、こうした条件については徹底的にわがままを通してよいのではないだろうか。自分との相性も含めた講師の能力、自分のレベル・興味・必要性に最も合致した授業内容、そして何より、レッスン中に自分が英語で話す時間を十分に確保できるかどうか。このようにレッスンの「質」を追求すれば、それにともなうコストも覚悟しなければならない。ただ、貴重なお金と時間であればあるほど、目先の安さより「費用対効果」で考えるべきかもしれない。英会話スクール間の競争も激しい現在、きちんと比較検討すれば、自分にぴったりのレッスンを見つけることはそれほど難しくないように思われる。
英語を使いこなし、「英語ができる部下」をも使いこなして、グローバル化が進むビジネスの中心で活躍していきたいものである。
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